ロビーの反対側に次元が見たのは------。

 記帳に名前を書き込んでいる人。


 こちらに背を向けてはいたが、次元には其れが誰なのか一目で判った。


(こんな所に------どうして)


 此処でBGMを流すとすれば、某マーチが良く合うだろう。


「はい、では2泊の御予定ですね。」
「そうです。短い間ですが、お世話になります」

 律儀に帽子を取って頭を下げている。

(ったく、無駄に礼儀正しすぎるな、とっつぁんは)




 とっつぁん------もとい銭形は、溜まりに溜まった休暇を強制的に取らされているのだ。そう、使役である。自発的に休暇を取ったのであれば本気で心配してしまうトコロだが、強制的とあらば、上層部に不信感を抱くと共に、銭形に激しく同情してしまう。


 とは云え、偶然にもルパン達の滞在している旅館を選ぶとは------さすがとっつぁん、である。


 そこへ持っていくと全く事情を知らない次元は------。

(こんな所は早く引き揚げちまうに限るぜ。)

 まぁ、よしんば事情を知っていたとしても、この行動を取ることにはなっただろう。同じ旅館に泊まっていれば、嗅ぎ付けられるのも時間の問題だ。

 <whisper>

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